GREAT TRIANGLE TOUR 2017

Age Factory, パノラマパナマタウン,PELICAN FANCLUBによる、
刺激的な全国6都市ツアー"GREAT TRIANGLE TOUR 2018"開催決定!

GREAT TRIANGLE TOUR 2018

Age Factory / パノラマパナマタウン / PELICAN FANCLUB

TICKETS NOW ON SALE!

NAGOYA

2018.9.4.Tue

OPEN 18:30
START 19:00

名古屋・UPSET

 愛知県名古屋市千種区池下1-4-23 アミュゾン池下ビル5F
 http://www.club-upset.com
  052-763-5439


TICKET
adv.2,500yen(+1drink)
day.3,000yen(+1drink)

CONTACT
JAILHOUSE
 http://www.jailhouse.jp
  052-936-6041

OSAKA

2018.9.6.Thu

OPEN 18:30
START 19:00

大阪・JANUS

TICKET
adv.2,500yen(+1drink)
day.3,000yen(+1drink)

CONTACT
サウンドクリエーター
 https://www.sound-c.co.jp
  06-6357-4400

HIROSHIMA

2018.9.7.Fri

OPEN 18:30
START 19:00

広島・4.14

TICKET
adv.2,500yen(+1drink)
day.3,000yen(+1drink)

CONTACT
夢番地
 https://www.yumebanchi.jp/a>
 082-249-3571

SENDAI

2017.9.12.Wed

OPEN 18:30
START 19:00

仙台・enn 2nd

TICKET
adv.2,500yen(+1drink)
day.3,000yen(+1drink)

CONTACT
GIP
 http://www.gip-web.co.jp
 022-222-9999(24時間自動音声案内)

TOKYO

2017.9.13.Thu

OPEN 18:30
START 19:00

東京・WWW

TICKET
adv.2,500yen(+1drink)
day.3,000yen(+1drink)

CONTACT
HOT STUFF PROMOTION
 https://www.red-hot.ne.jp
 03-5720-9999(平日12:00〜18:00)

Age Factory×パノラマパナマタウン×PELICAN FANCLUB
ツアースペシャルインタビュー!

未知なる刺激と高揚を味わいたい奴は、このツアーに足を運んでくれ。Age Factory、PELICAN FANCLUB、パノラマパナマタウンがスリーマン・ツアーを回る。昨年「GREAT TRIANGLE TOUR」 と銘打ち6ヵ所を回った3者で、規模感をグレードアップさせ今年も同じイベントを仕掛けるのだ。
まず大前提として、彼らはまったく異なる個性を持った3バンドである。90年代のUSオルタナティヴやハードコア、国内のエモ・パンクを下地に抒情性と暴力性を突き詰めてきたAge Factory。 80’sのシューゲイザーやドリームポップ、ニューウェィヴからの影響を出発点に、よりキャッチーなメロディと開けたサウンドメイクを獲得していったPELICAN FANCLUB。ヒップホップとオルタナ ティヴ・ロックを折衷させながら、世界をひっくり返そうというロマンを挑発的なリリックに換えて歌ってきたパノラマパナマタウン――3者の間で音楽性に共通する部分はほとんど無く、客層も決 して被っているとは言えないだろう。だが、彼らには共有しているメンタリティーがある。慣れ合うことなく食い合っていこうという流儀、シーンの流れに溺れることなく、自分達だけの音楽で大 衆を巻き込んでいこうというという志だ。そう、彼らは狭い村で満足するバンドではない。世界に自分達の音を知らしめたくてウズウズしている連中である。そして今年の「GREAT TRIANGLE TOUR」は、そんな彼らのこの1年で蓄えた経験値と成長が見える舞台になるだろう。各バンドのフロントマン・清水エイスケ(Age Factory)、エンドウアンリ(PELICAN FANCLUB)、岩渕想太 (パノラマパナマタウン)にその腹に溜め込んでる意志を語ってもらった。

Text by 黒田隆太朗



自分自身が一番鳥肌立つようなバンドでありたいし、その自信さえあれば、僕はどこでだって勝てると思ってます(エンドウ)

■2年連続でこの3バンドでツアーを回ることになりました。前回のツアーで手応えや意義を感じたからこその2回目なのかなと思ったんですが、まずどういった経緯で今年もやることになったのか、そこから聞かせてもらえますか。
エンドウアンリ「またやりたいねっていう話はあったよね?」
岩渕想太「うん。よっこいしょって感じはないですね。去年の時点でやるつもりやったくらいの感じです」
■これだけ違う音楽をやっている中、お互いにどこにシンパシーを感じていますか?
清水エイスケ「俺は年代な気がします(全員が20代半ばで清水と岩渕は同い年、エンドウがふたりの2つ上)。音楽は正味違う人間が作っている段階で絶対違うものになるんで、100%理解し合うことは絶対にできないんですけど。でも、同じ時期に生まれて、同じくらいの期間全員がバンドをやってきているから。そこにはシンパシーを感じます」
■この年代が共有している感覚ってなんだと思います?
岩渕「新しいものを作りたいし、誰についていくんでもなく、自分で何かしたいっていう気持ちはどのバンドも持っている気がしています。僕はこの2バンドのそこがめちゃくちゃ好きなところだし、そういうところは絶対自分達にもあるから。音楽は全然バラバラだと思うんですけど、そこは一緒だなと」
■僕は3バンドとも「俺はこの道に行く」っていうのを貫いてきたバンド達だと思っていて。
清水「はいはい」
■だからスタンスとか、精神性の部分で通ずるものはあるのかなって思っているんですけど。そうやって己の道を貫いていく中で、この3バンドはこの1年でどういう成長を遂げていったと思いますか。
清水「上を見る感じになったと思います。キャパシティであったり、シンプルに言ったら売れ方だったり、そういうことを自然に考えるようになって。どんなふうに売れたらいいか、どんなふうに売れるべきかみたいなものが、前のツアーくらいから見えてきた気がしたし、それはきっと3バンドともそうで。同じ角度で上を見てる気がしています」
■いる場所は全然違うんだけど、同じ角度で上を見てるんだ?
清水「そうそう。パノラマで言ったらメジャーデビューしたり(PELICAN FANCLUBもこのインタヴューの4日後にメジャー移籍を発表)、そうやって自分達なりの商業的なやり方を取り出しているところが共通してますよね。俺らは100人くらいの箱でオナニー的にやり続けたいと思っているバンドでもないし、全員が多くの人に見られたいっていう願望の中でやっていて、それは今回のツアーでより明確になると思う。もっと言うと、それは全員がテーマとして持つべきやと思います」

Age Factory / Moony


エンドウ「そうだね。あと、去年もやってるっていうこともあって、闘争心みたいなものは凄い育った1年だった気がします。去年の『GREAT TRIANGLE TOUR』ではいろんな想いをしたし、ただ楽しいだけじゃなかったのが凄いよかったと思っていて。そこで感じたことを晴らすじゃないけど、自分の中で納得させるような1年になっていたと思います」
■意識の面で、一番変わったとこってなんだと思いますか。
エンドウ「僕は自分でやってて自分が一番鳥肌立つようなバンドでありたいと最近凄い思っていて、そしてそういう姿を見せれる自信さえ持っていれば、僕はどこにいっても勝てるなと思ってます」
■ペリカンって、キャリアの中でどんどん開けていったバンドじゃないですか? 初期だともっと密室的だったし、80'sのシューゲイザーとかニューウェイヴ色が強かったけど、今はもっとレンジの広い曲を書いていて。そうやって音楽的に開けていったのと、今自分達はどこ行ってもやっていけるなって心境が変わっているのは、シンクロしてるんですか?
エンドウ「あぁ、シンクロしてますね。ただここ半年くらいで思っていることなんですけど、音楽的に開けることが精神的に開けることなのかって言ったら、自分にとっては疑問だったりしていて。今はもっとポップなものを作りたいっていう気持ちよりかは、一番自分の身の丈に合ったものを追求して行きたいって気持ちになってきています」
■自分の核の部分で開けて行かなきゃしょうがないと。
エンドウ「そうなんですよね。だからバンドのあり方としての原点回帰というか、自分がバンドをやった理由っていうのはなんだろうっていうのを考えた時、そこに至ったんですけど」

PELICAN FANCLUB / ガガ


■それで言うと、エンドウさん自身は今のPELICAN FANCLUBというバンドをどういうふうに見てますか?
エンドウ「メンバー3人がそれぞれ好きな音楽を反映させることだけ考えているというか、流行りとかシーンとか僕は結構自分の人生には関係がなくて。と言うのも、自分の好きなものを一番熱く語りたいタイプだから、自分の好きなものがちゃんと自分達のバンドに反映されればいいなっていう、主観的な考えしかないんですよ。だから今のバンドがどういうものかって訊かれたら、『自分が一番語れる音楽』がこのバンドっていう感じです」
■でも、ちゃんと上へ行こうっていう野心はあるんですよね?
エンドウ「はい。なのでそういう商業的な部分も含めて、どうやって自分達の出したものを美味しいと思ってもらえるかっていうのは考えています。で、そうするには自分が一番説得力の強い人にならなきゃいけないなって思いますし、そのためには偏ってでも好きなものを追及していきたいし、それが最終的に世に広まるひとつの手段だと思います」

社会に対して疑問符を打ちたいっていう気持ちが凄いあるし、 新しい見方を提示するような存在になりたいです。(岩渕)

■「商業的」っていう言葉がふたりから出てきましたけど。それで言うと、メジャーに行ったパノラマが一番そこと自分のルーツの研ぎ澄ませ方を考えてきたバンドなんじゃないかと思いますが、どうですか?
岩渕「去年この3バンドで回った頃って、劣等感みたいなものを抱えていたし、いろんなところに出て行く中で、どうしようどうしようってなる時期だったんです。で、自分のそういう弱いことが一番出たのがグレトラだったと思っているし、そこが凄く悔しくて」
■岩渕さんにとって、何が一番悔しかったんですか?
岩渕「思い返す度に、もうちょっと自分っていうものを持った状態でこの3バンドで回りたかったっていうのが凄いあって。でも、メジャーデビューしてからここじゃん!っていうのがちょっと見え始めてきて。今は自分ららしさと商業的にも受け入れられる接点みたいなものをどうやって持てるかっていう、そのラインが少しずつわかり出しているから。今はここに向かって走ればいい、みたいなものがあって、それがこの去年との一番の違いです」
■それは具体的に言うと?
岩渕「ちょっとスカしてたり気取ったりしてる自分もカッコいいと思ってたし、自分はそういうバンドが好きだったんですけど。でも、自分らは違うんだなってわかって。俺らは『伝えにいく』っていうところでもがかないといけないし、『こういうことが言いたいんだよ!』っていうのを無理くりにでも言いに行くのがすげぇ大事だなって思っています。今そういう状態になれている中で、このスリーマンを回れるのは嬉しいし、楽しみですね」

パノラマパナマタウン /フカンショウ


■……エイジはそういう感覚、無頓着そうですよね?
清水「いや、でもまぁ最近思うのが、自分らを見に来た人以外が全員が俺らのCDを買ってファンになってない感じが1番悔しいですね。まだ圧倒的になれてないってことに他ならないので」
■だとしたら、エイジはこの1年で他のアーティストの企画やライヴに呼ばれることが増えてきたから、なおさらですよね。
清水「そう。だからこそこういう考え方が芽生えてきたのかもしれないです。昔は好きな人だけが聴いてくれればよかったし、そいつらが異常なくらい好きになってくれたらもうそれで自分は満足だったんですけど。たとえばペリカンを見に来た人が、その日を持って僕らのことを好きになるようなパワーを持たなきゃあかんなって思い始めてます」
■周りと自分を比べる頻度が増えた?
清水「いや、比べるんじゃなくて、えっとね、たぶんまだ全部を変えられるほどの力が僕自身にないんですよね。それが悔しい。だから自分達の曲であり、ライヴであり、発言であり、そういうところをめちゃくちゃ高めて全部ごっそり持って行けるようにしたいと思ってます。で、そうなったら商業的っていうところにも繋がっていくと思うんですよね」
■なるほどね。
清水「ずっと『あいつらが出した曲ヤバ過ぎん?』っていうのを、オールジェネレーションが思ってくれるようなバンドになりたい。それが死ぬほど難しいことやっていうのもわかってるんですけど、一片の流行で終わりたくないし、各自が自分達の力をめちゃくちゃ高めていかんと絶対終わってまうんで。言うたら普段のライヴ全部がそうですけど、その小さなきっかけなるようなツアーになればいいなと思っています」
■それは制作の面ではどう表れていると思います?
清水「狙って作品作れるようになった気がしますね。今は自分達に置かれている環境を考えたり、もうちょっといろんなことを反映しながら自分達の好きな音楽を作れるようになってると思います。正味楽曲そのものは現状のレベルから変えられないんですけど、それ以外の部分――バンドが持つ思想とかキャラクターとか、そういうところで今自分が作れるレベルの楽曲とマッチさせながらいい感じに相乗させて作った曲もあって。ただ好きなことをやるっていうよりかは、今の自分達の現状も消化していくベクトルになっていったと思います」
■じゃあそれこそ『LOVE』の時とは全然違いますね。
清水「『LOVE』はむちゃくちゃ少年みたいな感じがします。ホンマにピュアというか、まあ今もピュアはピュアだと思うんですけど」
エンドウ「でも、まあ優しくなったよね(笑)」
清水「そうそう(笑)。『LOVE』の時はマジで少年みたいな感じです」
■今は?
清水「めっちゃ鍛えた少年」
エンドウ「少年は少年なんだ(笑)」
清水「もうムッキムキになってる」
■格闘技覚えちゃったんだ?(笑)。
清水「そう(笑)。もうむっちゃくちゃボクシング強い少年みたいな。でもね、そういうマジでヤバいやつじゃないともう今はやってけないと思う。だってもう、日本っていろんな要素が入り過ぎているじゃないですか」
■っていうのは?
清水「いや、もうみんなが見てるのって、音楽以外のことばっかりじゃないですか」
岩渕「うん」
清水「そんな中でも俺は好きな音楽やりたいし、でも金ももらわなアカンっていう。じゃあ他とは違う部分をバッチバッチに強くしてかないともう対抗できないです。しかも今はヒップホップとかも流行り出してて、ヒップホップの人達はバンドマンよりも圧倒的にリリック強いから」
■それは、本当にそうですね。
清水「そういう人達にも俺らは対抗していかなきゃアカンわけで、そういう意味では、完全に考えた上で意識的に違うベクトルでやっていかないと好きな音楽はやれない時代だったりしていて。だから、凄い筋肉ついた少年みたいになりたいって思いますね」
■どうですか、凄い筋肉ついた少年を端から見てて?(笑)。
エンドウ「まあ実際エイジはプロテインの匂いしますよね(笑)。で、そういうのを見てると、自分は線の細さみたいなところが際立っちゃうんで。鍛えなきゃなっていうふうにケツ叩かれるところはありますね」
■ただ、エイジは音楽的にもひたすらマッチョになることがネガティヴには働かないから、どんどん力を身に着けていけばいいと思うんですけど。でもペリカンはそういうバンドではないですよね? このバンドは、今どこを鍛えなきゃなって思っていますか。
エンドウ「まあすべてと言えばすべてなんですけど――強いて言えば人間性ですよね。僕自身を鍛えれば曲が変わるし、バンドも変わるし、ライヴの佇まいも変わるし、それこそ説得力も変わっていくから。なので自分自身を鍛えていこうとは思ってるんですけど、僕の場合は知識欲みたいのも凄いあるので」
■研究者タイプなんだ。
エンドウ「純粋に自分の好きなジャンルであったら誰よりも話せるようになりたいっていう探求心みたいなものが凄いあります。というか、僕はそこが一番強いんですよね。でもそれだけだと自己満足になっちゃうので、それを伝えるためにどうすればいいのかっていうところで、僕は人間性なんじゃないかっていうふうに思っていて」
■音楽的には今どこに一番アンテナを張っているんですか。
エンドウ「今僕が特に聴いているのは2010年代以降に出てきたヴェイパーウェイヴを凄い聴いています。5月にMacintosh PlusのLP(『Floral Shoppe』)の再発があって、そこからまた最熱して聴くようになりましたね」
■どこに惹かれていますか?
エンドウ「それこそ作り方というか、80年代とかの音楽をつぎはぎしていくっていうその発想です――バンドとは作り方が違うんですけど、でも音楽としての形態はどうであれ、作品として表現したい意図みたいのがあるじゃないですか。その意図はなんなのかっていうのを、曲のタイトルも含めて聴き込んでいって、その音楽が伝えてくることを追及していきたい」
■音楽の中にある意志みたいなもの?
エンドウ「そうですね。そしてその発想をバンドで活かせたらなって凄い思います。それは僕の感覚ではヒップホップのサンプリングの感覚に近いんですけど、自分達がまったく異なる音楽を消化して、それをどう反映できるのかっていうところを凄い意識しています」

PELICAN FANCLUB / ShadowPlay


■パノラマは今一番何を意識しています?
岩渕「鍛えなきゃいけないところですか? ユーモアですね」
■なるほど(笑)。
岩渕「視点の面白さを感じられる音楽が凄い好きで。それこそ僕はヒップホップがめちゃくちゃ好きなんですけど、ヒップホップのリリックって、一言言った瞬間に『俺の生き方って自分の勝手な思い込みで狭くしてたな』って思わせてくれるような、新しい見方を提示してくれるものだったりして。自分らがバンドでやりたいのは本当にそこというか。『そんなに必死になんなくてもよかったんだ』とか、逆に『こっちめちゃくちゃ頑張んなきゃいけないじゃん』とか、聴いた人にアレ?って思わせるきっかけになりたい」
■それは、岩渕さんのどういう欲求の表れだと思いますか?
岩渕「社会に対して疑問符を打ちたいっていうのが凄いあるから。社会に向かって歌って、そうじゃねえよって言えるバンドって今は全然いないなと思っていて。自分達は、そういう存在になりたいです。だから想いを伝えたいっていう情熱は凄いあるんですけど、それを一言で言い切って、何か気づかせるようなリリックを書きたいし、何か新しく『そうかも!』って思わせる音楽を作りたいって思っています」
■確かにバンドでそれができてる人達って凄い少ないと思うし、でも何故それが少ないかって言ったら、それが簡単なことではないからですよね。それこそ、ヒップホップの音楽家達の今のスピード感って尋常じゃないし、それに比べてバンドのほうが不自由なところってあるじゃないですか。
岩渕「いや、でも僕はだからこそ型にはまるなよとか、真面目にやんなよってことを一番言えるのは絶対バンドだと思っていて」
清水「そうやね」
岩渕「人間じゃないと音を出せないし、ひとつの曲に関しても4人で喧嘩しながら作っていって、それは一番人臭くて人間っぽいなと思っていて。だから型にはまんなよ!っていうことは一番バンドが歌えるし、一番歌わなきゃいけないところだと俺は思っています。不自由というよりもこっちのほうが自由だし、確かに突飛なところから持ってくる能力とか、それこそサンプリング的なところで言ったらヒップホップって強いけど、でも人間らしさっていう面で見たらやっぱりバンドだし、僕はむしろ、そこに魅力を感じてバンドをやっています」

今はめっちゃ普通の人達がステージに上がっちゃってる感じがするから。 そこに一石投じれるようなツアーにしたいですね(清水)

■ヒップホップやトラップの隆盛とも密接なものだと思うんですけど、いかにリアルであるかっていうことが問われる時代だと思っていて。日本のバンドでもそうですけど、そいつらが何を歌っているのかっていうのをみんながちゃんと気にしていると思うんですよね。で、この3バンドも、キャリアの中でどんどん言葉が生身のものに変わってきたように思うんですけど、自分達では何故そういう言葉を歌うようになっていったんだと思いますか。
エンドウ「それはもう嘘をつきくないっていうところに尽きるというか、それこそピュアなんじゃないですかね。僕が元々幻想的な音楽をやっていたところからだんだん変わっていったんですけど、それもライヴを重ねていくうちに変わったところが大きくて。それまでは自分のためだけに音楽を作ってたんですけど、ライヴを重ねるうちに、来てくれる人のために歌いたいっていう気持ちも生まれていったんですよね」
清水「でも、俺はリアルというより、みんな凄い誇張して書いている時代やとも思います。それが結果的にリアルに見えるというか、むしろただリアルなことを曲に書いてたら絶対売れないと思いますね」
■というのは?
清水「誇張するくらい色濃く出さないと誰もわかんないんですよ、いろんなものがあり過ぎて。だからみんなめちゃくちゃ考えてやっているはずやし、だからこそリアルに見えるんちゃかなと思います」
■じゃあその中でご自分のリリックもどういう風になっていきましたか。
清水「俺達は自分達、ロックバンドの存在意義を歌っています。この前出した“WORLD IS MINE”もそうやし、でももうああいう言葉ってそうそう言えへんというか、今の他のバンドで書いてる連中があんまおらんから」

Age Factory / WORLD IS MINE


■そうですね。
清水「で、それで言えば、俺だってめちゃくちゃ誇張して書いてるくらいの気持ちです――なので二郎系みたいな感じじゃないですか? めちゃくちゃ乗せるみたいな」
■(笑)。
清水「じゃないと誰もわかんない」
■モノが溢れ過ぎてて?
清水「モノがあり過ぎるし、バンドだって無限にいるから。だから言いたいことを1のまま出すんじゃダメで、それを100にして出さんとたぶん伝わんないんですよね。で、みんなが100にしているからこそ、めちゃくちゃピュアに見えるのかもしれないですよね」
■ああ、一番言いたいところだけ凄い盛っているから。
清水「そうそう。世界的に見てもそういうのが流行っていると思います」
エンドウ「まあそう言われたら二郎系の流れは確かにあるかもね。でも、自分がリスナーとして考えても、過剰なほうが面白いっていうのはありますよね。それは自分達をブランディングすることのひとつになるはずだし、自分のバンドにしても、自分がどう見られたいかっていうところを考えて、そこだけを伸ばしたいと僕は思うから」
清水「そう。だからやっぱ、根本的にちょっとイタいくらいじゃないとヤバいと思うんですよね。そのくらいイキったほうがいいんです」
■それはバンドとして?
清水「もう全部。ライヴも音楽も物販もジャケもアー写も全部」
岩渕&エンドウ「(笑)」
清水「やりたいことを残しつつ、どんだけ自分らでいろんな要素ブチ込んで盛り盛りにできるか。逆に言うとそういうところを見るのも面白いと思うし、どこの部分をめちゃくちゃかさ増してんのかっていうのは、こうやって同世代のバンドで回ると一番見えやすい気がします」
エンドウ「うん、それはそうだね」
清水「だからそういうところを他の人のライヴを観たり客の感じを見たりして、自分達自身のことを判断したいなと思います。ただ、こん中で一番二郎系できてんのパノラマやと思いますけどね。自分達の伸ばせるべきところをめっちゃ伸ばせれてると思います」
■パノラマが上手くやってるとしたら、エイジとペリカンはどっちが不器用だと思います?
清水「タイプが全然ちゃうと思うんですよね。パノラマは全体的に行く感じで、俺らがたぶん究極にある一点だけ伸ばすみたいな感じ、そしてペリカンもタイプとしては俺らに近くて。ただ、当然そのどっちが正しいとかじゃなくて、そこで迷いが生じた時とか、何がしたいんかよくわからへんみたいな状況に置かれちゃうのが存在価値が無やと思うんで。だからそこで迷いが出えへんようにお互いの意識をバチバチに固めるべきやし、そういう意味ではお互いに全然違う種族を見るのはためになると思います」
■うん、考え方的も音楽も全然別ですもんね。だからこそ、お互いの長所とか、今の話で言う「自分達のどの要素を盛っているか」っていうのも、ハッキリわかるっていう。
清水「うん。でもね、本当思うんですけど、最近見た目普通、歌ってること普通、曲おもんないみたいなやつらばっか売れますよね」
一同「(笑)」
■急に来ましたね!(笑)。
清水「いや、でもこれちょっとマジでヤバいと思うんですよ。今まで何万人と歌ってきたことをそのまんまやってどうすんのって思う」
■まあ、心底同意はします。
清水「ただ、それで売れてる人らもたくさんいるからちょっと難しいというか――もしかしたら日本が違ったものを求めていないかもしれないですね」
■でも、それは常にある課題じゃないですか?
清水「いや、でも、最近はその傾向がエグいと思います。そっち(普通のもの)が求められ過ぎててよくわかんないですね。めっちゃ普通の人達がステージに上がっちゃってる感じがする。それ見て何がオモロイんやろって思いますし、本来、バンドのフロントマンもバンド自体も、ステージで演じる部分って絶対あると思うんです」
■わかります、わかります。
清水「でも、そうじゃない人達が増えまくってるから………………そこに一石投じれるようなツアーにしたいですね」
一同「……!!」
エンドウ「本当にそんなこと思ってるの?(笑)」
■無理やりまとめましたね!(笑)。
岩渕「でも、確かに毒にも薬にもならないみたいなバンドも多いし、普通なものが受け入れられやすくて、みんなが好きみたいな風潮は本当にありますよね」

パノラマパナマタウン / $UJI


■その中では、オルタナティヴな立ち位置にいるバンド達ですよね。この3者は。
岩渕「僕が思うのは、ちょっと臭かったりイタかったりすると、もうそれだけでうえってなっちゃう人が多過ぎるのかなって。だから二郎じゃないとダメというか、自分の想い100増しくらいで書かなきゃいけないという――でも、自分が好きな人は絶対そうなんですよね。この音楽嫌いな人も絶対いんだろうなって思うような個性を持った人が多いし、それでも俺はこの気持ち悪さが好きなんだよなっていう。で、自分が好きなものはそういう音楽なのに、そういう人達が成功してないなって今めっちゃ思うんですよね」
■エンドウさんはどうですか?
エンドウ「うーん……僕の人生にはあまり関係ないですね」
■ブレないっすね(笑)。
エンドウ「(笑)。僕はカッコいいバンドがカッコいいとしか思わないんで。周りがどうこうっていうよりかは、さっきエイスケが言ったことがすべてなんじゃないですか? 自分達がそういう状況に一石投じれる存在になればいいっていう」
■本当にそれを期待しています。今日はありがとうございました。
一同「ありがとうございます!」

エイジファクトリー

清水エイスケ(Vocal,Guitar)
西口直人(Bass)
増子央人(Drums,Chorus)

"現代若手ロックシーンのバケモノ”と称されるVo/Gt清水エイスケ、Ba西口直人、Dr増子央人からなる古都奈良発のロックバンド。
「戦う人間のために音楽を」というメッセージを掲げ、感情を露わにした破壊的・攻撃的楽曲から誰しもに当てはまる情緒を巧みに表現した楽曲までを武器とし現在全国で話題拡散中。

●OFFICIAL WEBSITE
http://www.agefactory.biz



●Moony(Official Music Video)

パノラマパナマタウン

岩渕想太(Vocal,Guitar)
浪越康平(Guitar)
田野明彦(Bass)
田村夢希(Drums)

福岡、広島、大阪、神戸と、それぞれ出身の異なる4人が、神戸大学の軽音楽部で集まり結成された4ピースオルタナティヴロックバンド。
2014年に結成の後、2015年には若手バンドの登竜門的存在である「RO69JACK」、「MASH A&R」のふたつのオーディションでWグランプリを獲得。
ブリットポップやHIPHOPに影響をうけたユニークなサウンド、ヴォーカル岩渕の綴る切れ味鋭い詞の世界、圧倒的な熱量のライヴパフォーマンスが武器。
2018年1月にA-Sketchでメジャーデビュー。均一的なロックシーンのちゃぶ台をひっくり返すことを目論む異端児4人組。

●OFFICIAL WEBSITE
http://www.panoramapanamatown.com



●「$UJI」リリックビデオ Live at 代官山UNIT2018

ペリカンファンクラブ

エンドウアンリ(Vocal,Guitar)
カミヤマリョウタツ(Bass)
シミズヒロフミ(Drums)

エンドウアンリ(Vo&Gt)、カミヤマリョウタツ(Ba)、シミズヒロフミ(Dr)で編成されるロックバンド。光と闇の両面性を持つ楽曲で聴く人の「喜怒哀楽」を全て音楽にぶつけて欲しいというテーマのもと活動している。2017年にはファーストフルア ルバム「Home Electronics」を発売。また、”DREAM DAZE”というステージとフロアの境目をなくしたゼロ距離ライブを定期的に開催するなど常に攻めの姿勢を崩さない。

So that listeners can express their all kinds of emotion to the the music, their songs are with ambivalence of light and darkness. The 1st full album “Home Electronics” has been released in 2017. They are always very aggresive with new activities like hosting live event “DREAM DAZE”, which has no border between the stage and the floor.

●OFFICIAL WEBSITE
http://pelicanfanclub.com



●ガガ(MUSIC VIDEO)